成人にも広がる百日ぜき、対処法は?(医療介護CBニュース)

 成人の百日ぜき患者が増加している。国立感染症研究所感染症情報センターによると、小児科を標榜する医療機関からの報告の集計にもかかわらず、百日ぜき患者に占める成人の割合は2000年以降、毎年上昇しており、今年は過半数を占めている。成人では、小児に見られるせき発作など特有の症状がない場合が多いのが特徴で、医師がいわゆる「風邪」などと鑑別できなかったり、患者が医療機関を受診しなかったりするケースも少なくないとされている。神津内科クリニック(東京都世田谷区)の神津仁院長は、「百日ぜきはもはや、乳幼児だけに流行する病気ではない」と注意を呼び掛けている。

■幼少期のワクチン効果が低下か
 神津内科クリニックでは3月から6月にかけて、10人の百日ぜき患者を診断しました。これに対して感染研のデータでは、年明けから5月16日までに全国約3000か所の小児科定点医療機関から報告された患者数は1395人で、1医療機関当たり0.47人です。小児科でなく、うちのような内科を受診している患者の方がずっと多いということだと思います。
 わたしが診断した10人の平均年齢は39.2歳でした。また、日本臨床内科医会に投稿した成人百日ぜきに関する論文では、九州大と国立病院機構福岡病院が1990-2004年に診断した患者の年齢分布のデータを引用しましたが、1-2歳の小児に加え、31-40歳にもピークがありました。小児に近い年齢以外にも注意が必要です。

―成人の百日ぜき患者はなぜ増えているのでしょうか。
 幼少期に接種したワクチンの効果が、成人になって落ちている可能性があります。日本では、百日ぜきワクチンにジフテリア、破傷風のワクチンを混合したDPTワクチンを定期接種していますが、対象は生後3-90か月の子どもで、その後、徐々に抗体が落ちてきます。米国では、小児期の定期予防接種のほか、11-12歳にもワクチン接種を推奨しています。日本でも成人用ワクチンの開発が待たれるところです。
 また、成人では特徴的な症状がないため、気付かないうちに感染を広げているケースが増えていると考えられます。新型インフルエンザが流行した昨年にはマスクをしている人が多かったのに、百日ぜきではただの風邪だと思い、マスクをせずにせきをしている人が少なくありません。百日ぜき菌の遺伝子変異によって抗原性が変わり、ワクチン株が現在流行している型に合っていないのかもしれません。

■特徴がないのが特徴
 論文で07年冬から08年春に診た「治りにくいせき」の外来患者21人についてまとめましたが、このうち百日ぜきだったのは10人で、症状はほかの11人と変わりありませんでした。小児の場合、激しくせき込んで息苦しさのあまり勢いよくヒューと「吹笛性呼気」をするせき発作が臨床的な特徴です。一方、成人ではこうしたせき発作がありません。「特徴がないのが特徴」と言えるでしょう。

 ただ、患者に聞くと「夜間のせき込みがひどく、眠れない」と言う人もいます。せき込みそのものは、通常の風邪よりも強いと思います。
 せきが出る期間は、通常の風邪に比べて特別長いわけではありません。3-6月に診断した10人では、せきが出始めてから受診するまでが平均13.8日、受診から完治までが平均11.4日でした。

■成人でも疑って検査を
 診断方法は、通常の風邪と同じです。まず問診をして、「せきが続くか」「せきが出るのは昼か、夜か」「痰が出るか」などを聞いて、のどやリンパ腺の腫れなどを確認します。ここでアレルギー性のせきや、副鼻腔炎と判明することもあります。もちろん、胸部エックス線の写真も撮りますから、結核や肺炎であれば分かります。
 いずれにも該当しない場合は、百日ぜきや異型肺炎など、疑われる病気は限られてきます。そこで白血球やマイコプラズマ抗体、百日ぜき菌抗体などを検査します。気管支炎の強いものであれば白血球の増加があったり、マイコプラズマ肺炎であればマイコプラズマ抗体価の上昇があったりします。検査結果が出るのが最も遅いのが百日ぜき菌抗体で、それまでにほかの検査結果によって、百日ぜきである可能性が高まっていくのです。

―受診初日には、消去法で「百日ぜきではない」ことは分かっても、百日ぜきかどうかは検査の結果が出るまで分からないということでしょうか。
 その通りです。百日ぜき菌抗体は、検査結果が判明するまでに1週間かかります。インフルエンザのように、すぐに検査結果が分かればその場で治療できますが、百日ぜきでは1週間の過ごし方について注意を与えることしかできません。治療薬であるマクロライド系抗菌薬をしっかり飲み続けるよう指導したり、1週間後に必ず受診するよう呼び掛けたりすることが重要です。マスクを着用し、せき込み症状が強い場合には学校や仕事は休んで、周囲に感染を広げないよう注意を呼び掛ける必要もあるでしょう。

 ただ、医師は経験則を重視するものです。わたしはこれまで百日ぜきの患者を何十人と診ていますから、ほぼ分かります。初めて診る医師には、難しいかもしれません。

―現場に対するアドバイスはありますか。
 百日ぜきの患者が内科で増えていることに注意することです。百日ぜきかもしれないと考え、検査をすれば1週間後には結果が出ます。医師も患者も、百日ぜきがもはや乳幼児だけで流行する疾患ではないことを念頭に置いて、せきが長引く場合には成人でも百日ぜきを疑ってほしいと思います。


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[フォト]当麻寺は不思議ワールド

 ■当麻氏

 当麻寺は古くは正史に登場しないため、詳しいことがよくわからない。それでも1300年以上をへて、これだけ立派な伽藍が残っているのは、天皇家や藤原氏などとは離れ、地元の氏族や住民たちからの信仰によって支えられてきた証拠だろう。権力闘争から離れたから、破壊を免れたともいえる。その氏寺だったと考えられる当麻氏は、聖徳太子の異母弟、麻呂子王の子孫という。実際、当麻氏は淳仁天皇の生母や平安初期になっても嵯峨天皇に娘を入内させていて、当時はそれができるほどの有力氏族の1つだったようだ。

 ■塔の不思議

 奈良時代から平安初期にかけて建てられた三重塔が、東西2基とも残っているということ自体、不思議なパワーに守られているんじゃないかと思うほどだ。平安末、平重衡による南都焼き討ちがあった際も、重衡軍は当麻寺のすぐ横、かつては大阪との主要街道で知られた竹内街道を通って当麻寺を襲い、奈良の都へと進んだというが、当麻寺の塔は被災を免れた。東西が創建時のまま残り(西塔は再建?との説もある)、ともに国宝なのはここだけである。

 さて、相輪(てっぺん部分)の輪が8つというのは、どうにもおもしろい。塔といえば現在では9輪ばかりだそうだけど、はたして昔からそうだったのだろうか? 塔がつくられ始めたころは、いろいろあったかも?(専門の方のお話を聞きたいところだが、素人話でご容赦を)。中国をルーツにして数字は奇数が好まれる場合の方が多い。ただし、8は吉数ともされている。さて、8にどんな意味があるのだろう。

 創建時期も、東は奈良時代、西は平安初期とずれている。官寺でもないから、1氏族が少しずつ堂宇を建てて伽藍を整えたとすれば、2基の塔を一度に造るのは財政的にも難しかったということだろうか。様式が異なるのも、2基目の設計に入ったとき、さらに進んだ様式が大陸から入ってきたので、最新技術なりデザインなりを取り入れたとも考えられる。まったく同じ塔を2基造るのではなく、その時代で最も新しい技術を取り入れた…というわけだ。

 ■塔のある風景

 というわけで、境内あちこちから塔を眺めてみたのだが、三重塔で25メートル弱ということもあり、意外と両方をまともに見られるスポットは少ない。おすすめをあげてみた。

 ◎奥院(おくのいん)から

 四季折々の花と浄土庭園が有名な奥院。ぼたんの時期はもう終わったが、これからはクチナシ、あじさい、夏にはハスやスイレンなどが楽しめる。奥院じたいが少し高い場所なので東西の塔を見下ろす景観。宝物館には国宝、重文がずらり。

 ◎西南院(さいないん)から

 池泉回遊式庭園、水琴窟が有名。西塔を借景にしたながめがよく、縁側に座ってお茶をいただくとほっこりする。「みはらし台」からみた東西両塔は絶景。

 ◎中之坊(なかのぼう)

 片桐石州が改修したという名庭園「香藕園(こうぐうえん)」が美しい。東塔の借景が楽しめる。中将姫が髪をそり落としたと伝わり、霊宝館にはそのかみそりも。当麻寺は折口信夫の代表作「死者の書」の舞台として有名だが、現在、折口の自筆「送り状」が展示されている。

http://www.taimadera.org/

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